このたび、地域のユーザーや医療福祉の専門関係者、そして地域産業界が待望していた中部初の福祉機器展が本年5月、名古屋で開催されました。中部地域の産業界にとって、福祉用具の最新情報とユーザーの声が得られる機会が地元で開催されたことは、福祉用具産業の発展にとって大変よろこばしいことです。主催者の皆様のご努力を心より感謝申し上げます。
 昨年来、この計画が立ち上がってから、事務局からの要請などにより展示会の情報支援を工業系や福祉系業界新聞への執筆などで行ってまいりました。本展では、福祉車両をはじめ地域の福祉用具メーカーがNEDOの助成で開発した新商品や自社開発の製品など、さまざまな福祉用具の情報を確認することができました。また、関係団体や福祉用具の研究組織の出展もあり、地域の福祉用具開発の連携と交流が期待されます。
 当初、初めての展示会に対する業界の出展への反応は低く、消費低迷や、全国で福祉機器展が増える中で経費負担などを理由に出展を中止した企業や商社も多く、福祉用具の多様な商品情報を、福祉用具の情報を必要とするユーザーに提供することができなかったことは大変残念なことであります。
 しかし、5万人に及ぶ入場者のうち半数を消費者が占め、当初計画の3万人をはるかに超えたことは、次回の開催実現への根拠になったのではないでしょうか。高齢者や障害者が共に暮らせる高齢社会の健康・福祉用具の情報を継続的に提供する展示会として、関係者で育てていきたいと思います。
 最後に、福祉車両の体験乗車は、本展の独自の企画であります。このような特徴ある展示会を継続して開催され、「デザイン都市名古屋」にふさわしい福祉用具展に発展することを期待しております。

                     愛知県工業技術センター
                     応用技術部長
                     野 村 忠 夫